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介護休業新要件 離職ゼロへ制度の定着図ろう
2016.08.18
〜以下 読売新聞 記事抜粋〜
介護休業制度の見直しが進んでいる。より取得しやすい仕組みに改め、「介護離職ゼロ」へ向けた足がかりとしたい。
厚生労働省は、労働者が介護休業を取得するための要件の緩和を決めた。
現在は、対象となる家族の状態が一定の基準に当てはまれば、休業が認められる。概おおむね「要介護2~3」相当とされる。
ただ、介護保険導入前に創設されたため、要介護度と連動していない。判断に専門知識を要し、一般の人には自分が休業できるかどうか分かりにくい。取得が進まない一因でもある。
新たな要件では、「要介護2以上」なら取得できることを明記する方針だ。「要介護1」以下でも、認知症で見守りが必要な場合などは取得可能とする。来年1月からの適用を予定している。
広く定着している要介護度を用いて要件を明確化し、制度の活用を後押しする狙いは妥当だ。
対象となる家族の範囲も拡大する。今は、祖父母や兄弟姉妹の場合は同居が要件だが、別居でも認める。3世代同居が減り、兄弟数も少なくなるなど、家族構成が変化していることを考えれば、必要な措置だろう。
介護休業は、介護が必要な家族1人につき最長93日取得できる。仕事と介護の両立を図るため、ヘルパーの手配など介護態勢を整える期間と位置付けられている。
しかし、取得率は3・2%と極めて低調だ。制度の趣旨が理解されていないことや、周囲への気兼ねから利用をためらう社員が多いことが原因だ。
介護を理由とした離職は40~50歳代を中心に毎年10万人に上る。政府は、「介護離職ゼロ」を掲げ、介護休業の拡充を図ってきた。
今月から、休業中に雇用保険から支払われる給付金が大幅に増額された。来年1月からは、最大3回まで分割しての休業も可能になる。政府は、こうした見直しの内容を企業に周知徹底し、制度の定着を図るべきだ。
企業も、両立可能な職場作りを加速させてほしい。働き盛りの社員の退職は、企業にとっても痛手だ。社員への情報提供や相談体制の整備を進める必要がある。
忘れてはならないのは、長時間労働の是正などの働き方改革である。介護は長期にわたる場合も多い。残業が恒常化した職場で両立させるのは難しい。
法定の制度は最低限のものだ。企業の実情に合わせ、実効性ある制度を工夫してもらいたい。
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